2016年10月29日

私は仕事を断る人です

「やだー、性格わるっ!」って思った?うん、そうかもしれない。でもさ、まあちょっと私の体験談を聞いとくれ。

産業翻訳(実務翻訳って呼ばれたりビジネス翻訳って呼ばれたりいろいろだけど、今日は「産業翻訳」で)をしてると、それはそれはいろんな案件がやってくる。契約書、会議資料、議事録、会社案内、製品情報、店頭POP、監査報告、オフィス移転案内、観光案内、なんでもアリだ。

私は頼まれごとを断るのがそもそも苦手な性格だったのも手伝って、つい最近まで、面白そうな仕事はもちろん、白目むきそうな退屈な仕事も、畑違いの難解な仕事も、時間が許す限り仕事を引き受けていた。打診が重なれば自分の時間を削ってなんとか時間を工面して頑張ったりもしていた。楽しい仕事も辛い仕事もいい経験になったし、なによりいろんな案件に挑戦することで根性がついた(ような気がする)。

でもさ、そんなある日、何かの拍子に「あれ?」って気が付いちゃった。

誰かが「やりたくない」と思った仕事は、私が「それ得意!超やりたい!」って思う仕事かもしれない。ということは、私が「やりたくない」と思った仕事は、誰かが「私得意!ぜひやらせて!」と思う仕事かもしれない、って。

だったら、私はやりたい仕事ばっかりやって、そうでないのはそれをやりたい人に回してあげればいいんじゃないかな。私はやりたい仕事に専念して最高の品質を目指すし、やりたくなかった仕事はそれをやりたい人に回してあげることで、私が提供できる品質よりもうんと高い品質でお客様に訳文を提供することが可能になる。私も、その翻訳者さんも、お客様もハッピー!

なーんだ、いいことばっかじゃん!

ま、現実はそんなに甘くないのかもしれない。私が手放した仕事をほかの翻訳者さんが「やだなあ」って言いながら無理やり引き受けちゃう可能性だって大いにある(そう、これまでの私のように)。それでも、私がやりたくない仕事を断ることで、「いいことばっか」が起こる可能性はゼロじゃなくなる。そうだよねっ、ていうか、そうであるはず。

だから私は仕事を断る人になった。

ところで、仕事を断ってばかりいたら干されるかなって思ったら、全然そんなことなかった。それどころか、断ればその数だけ「じゃあこれは?」「こんなのは?」と新しい打診がくる。面白そうな仕事を選び引き受ければ、ものすごく喜ばれる。選んだ仕事は楽しくてついつい執拗に(?!)よい品質を追い求め、その結果お客様に喜ばれる。で、そのお客様の声を受けてリピートが来る。予想に反して、なんか嬉し楽しいサイクルが始まってしまった。

やりたい仕事だけやるなんて、ずるい?大人げない?ま、そう思われちゃうかもしれないよね。別にいいケド。ちなみに私は毎日のように、「もっと早くにそうすればよかった!」と思ってる。

今年残りもあと2か月ほどだけど、この調子で、そして来年もこのまま、私は仕事を断る人でいようと思う。

posted by まみ at 22:00| フリーランス生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

「少し安くなりませんかね」と言われた

なるわけないじゃん(笑)

とある翻訳会社からトライアル翻訳を依頼され、合格したところで「値引きしてほしい」と言われた。コーディネーターさんから「社長がトライアルの件で直接話をしたいと申している」とメールが来た瞬間に「あー、なにそれ面倒くさい」と思ったけれど、スマイルで電話に出た(注:スマイルしながら出す声は相手にちゃんと"ニコニコしている"ことが伝わるんだそうよ。印象大事!)

聞けば、クライアントが私の訳文を気に入っているが、正式発注にあたって見積金額よりも安くならないだろうか、とのことだった。「いかんせん低価格でサービスを提供しているものだから、これではどうも儲けがでなくて」と。

うん、うん、なるほどね。でもね、自分を安売りしているのはあなた方の都合で、私は関係ないからね。(さらに言うと、トライアルにとりかかる前に見積書出してるんだけど、なんでこのタイミングで値切るの?)

「残念ですが、私にはそうする理由がありません」と答えた。「安くして」と言われたら、まずはこの言葉を返してみる。交換条件が出てくるだろうか。しばらく待ってみたが、出てこなかった。

翻訳会社はいつだって、「もっと安くして」の一辺倒だ。「では、安くする代わりにご提示くださる条件はなんですか」と聞いて、答えを返してくれた会社はこれまでない。むしろそんなことを聞かれるのは想定外とばかりに息を飲んだり、「えっ」と驚いたりする。取引条件の交渉は、「こちらの希望はこうだから、かわりにこれをオファーします」という提案がスタート地点であるはずだ。それなのに、そのスタート地点にさえたどり着けない翻訳会社ばかりだ。この社長も同じだった。翻訳者と交渉した経験がないのか、それとも「社長って言えば何とでもなるだろう」とでも思ったのか。本当のところは知る由もないけれど(まあ、たぶん両方だろう)電話の向こうで「その単価だと当社の儲けがちょっと… そこはみなさんとうまくやっていきたいと…こちらでも営業努力でもってクライアントと交渉してみますが…」と社内の事情をもぞもぞと述べ始めた。

話が進まないので、助け船(交換条件)を出すことにした。「翻訳者にとって単価を下げるということは、訳文の品質を下げるということです。見直しなし、スペルチェックなし、辞書の使用は最低限で、よく分からないところは訳さず飛ばします。要するにざっと訳したものを納品します。それでよければ単価をお下げすることが可能です。いかがでしょうか?」さあ、これで気付くだろうか。

戻ってきた言葉は、「あ、いえ、訳文は高品質な物をお願いいたしたく…」だった。ダメだこりゃ。「それなら値下げしてもいいかな」と思える理由を提示できないのであれば、それまでだ。「どうされるかはお任せしますね ^^」と言って電話を切った。

考えてみれば、翻訳技術を驚きの低価格で提供している翻訳会社と、「少し高いけどその価値があった!」と言われる仕事をモットーにしている私とでは、同意にいたる方が奇跡というものだ。そんなわけで今回はご縁がなかったが、その翻訳会社、条件の合う翻訳者さんを早いタイミングで見つけられているといいけれど、どうだろう。

posted by まみ at 22:19| フリーランス生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月24日

お仕事ウィークエンド

仕事ばっかりして週末を過ごした。

フリーランスになってからずっと、週末だけでなく、5月の連休や盆正月にも積極的に仕事を入れている。理由は単純。「静か」だからだ。

週末は翻訳会社からメールがこないため、仕事に集中できる。仕事の打診、こちらの対応可否連絡、それに対する翻訳会社のレスポンスなどなど、テンプレートを使ってメールを送り合っているだけではあるけれど、それでもちゃんとメールにも原稿にもその場で目を通さないといけないし、それによって仕事と思考の流れが途切れてしまう。テンプレートではまかなえない内容のメールを書く必要が出てくることもある(そしてその後テンプレートが増える)。一日に例えば打診が5件来れば、それなりの時間と労力をテンプレ応酬に費やすことになる。週末はそれがないのがいい。(注:ちなみに個人のお客様からは、曜日や時間を問わず連絡が来るのが基本。これはもうどうしようもない。)

5月の連休や盆正月は、マンションの住人の多くが家を空けるため、とても静かだ。いつもなら生活音が多めの時間帯でさえも静かで、おかげで仕事がはかどる。そんな私は多くの人とは別の理由で、「休みがずっと続けばいいのに〜」と願うことが多々ある。

こういう話をすると、「週末だけじゃなくて、5月の連休も年末年始もお仕事なの? かわいそう〜!!」と言われることが今でもたまにある。最初に「かわいそう」と言われた時は、本気でその意味がわからなかった。世間が休みの間に静かな環境でお仕事をして、みなさんがお仕事している時にお休みをいただくこの生活は、私が望んで手に入れたもの。「かわいそう」判定を受けるとは思ったこともなかった。でも世間一般的には、「みんなが休みのときに休めないなんてかわいそう」ということなのだろうか。うん、まあ、その気持ちも分からなくはないけれど。

さて、そろそろ週末が終わる。今週末もよく働いたな、と思う。

明日は休もう。カフェで読書でもしようかな。
お疲れ様でした!

posted by まみ at 01:09| フリーランス生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする